濃い緑色の緑柱石がエメラルドです。カラーバリエーションの多い緑柱石にはアクアマリン、モルガナイトなど様々な呼び名があります。エメラルドの独特な緑色は微量のクロムやバナジウムに起因します。エメラルドは地下深くで大きな圧力を受けて生成されるため、結晶はひび割れたり傷ついたりする場合が多いため、緑柱石の中でエメラルドの価値が特に高いのはこのような希少性のためです。
エメラルドの多くはエメラルドカットという正方形や長方形の角を切った形が主流で、まれにカボションやオーバルもあります。
産地によって色味が異なり、価値も変わりますが、一般的に透明度があって色の薄いものより、濃いグリーンで光沢のあるもののほうが高級とされています。
石言葉:幸運と幸福
石の力:未来を見通す、不老長寿、幸福をもたらす
エメラルド特有の内包物は多彩で、光にかざして覗いてみると。木や草が生い茂る中庭のように見えることから、ジャルダン(庭)と呼ばれています。ヨーロッパの支配者たちはエメラルドを「天国の庭が見える石」と呼んで珍重されました。内包物には液体、固体、気体や他の鉱物など様々なものがあり、天然のエメラルドは必ず内包物を含んでいるので、内包物が含まれることは、天然石である証でもあります。
最も古くから知られる宝石といわれ、クレオパトラも愛したエメラルドは古代エジプト人にとって繁栄と生命のシンボルでした。
エメラルドの硬度は7.5~8と高いですが、衝撃に非常に弱く、熱や水にも弱いため、取り扱いが難しい宝石です。また結晶化の際に内包物は亀裂が入るため、もろく傷の多い石として有名です。
そのためリフォームする際は注意が必要です。現状は問題は無いように見えても、エメラルドと留めている爪の下に割れ・欠けが隠れている場合もあります。これについてはエメラルドを外してみないと分かりませんので、作業の途中工程で現状を報告し、状態に応じて依頼内容を検討する必要があります。またリフォーム店はエメラルドを外して、再度留め直すことになりますが、このプロセスにはリスクが伴います。したがって、お互いのリスクについてもしっかりと話し合うことが大切です。
エメラルドは割れ・欠けがしやすい宝石です。通常、安全性を考慮して「爪留め」のセッティングが選択されますが、お客様の希望やリスクに応じて、「ふせこみ」や「はさみ留め」などのセッティングも選択肢に含めることがあります。
エメラルドは衝撃に非常に弱い宝石です。アイテム選定には、何かと接触しづらいアイテムを選定してください。ピアスやネックレスは何かと接触することは少ないと思いますが、指輪の場合は、接触の機会が多いですから、お出かけ時に着用するなど使うシーンを考えてデザイン選びをされてください。
合成宝石の技術が発展すると、合成エメラルドも一般市場に提供されるようになりました。その頃、合成エメラルドは比較的安価で、天然のエメラルドに比べて均一な色合いを持つことから、多くの人々に受け入れられました。
特に、日本では1950年代から1960年代にかけて、合成宝石が一般的に普及し、宝飾品として広く流通するようになりました。合成エメラルドはこの時期に日本市場で広まりました。
当店の場合は、無料の事前鑑別サービスがありますので、そのタイミングで確認することができます。
合成エメラルドは、天然のエメラルドと同じ結晶構造を持つ人工的に合成された宝石です。エメラルド自体は緑色の宝石であり、ベリル鉱石の一種で、クロムやバナジウムなどの不純物が含まれることによって独特の緑色を帯びています。合成エメラルドは、天然のエメラルドと同じ外観と物理的性質を持ちながら、実験室で作られることが特徴です。
リフォームの際、宝石の所有者の背景や歴史が重要な要素となることがあります。価値が再現不可能なものである場合、宝石の金銭的価値にかかわらず、その宝石が誰のものだったかという事実が重要です。したがって、その宝石が天然であるか合成であるかといった事実は、その宝石の価値には直接関係しないことがあります。また、硬度についても、天然エメラルドと同等であるため、その宝石をジュエリーとして楽しむ際に特別な問題は生じません。