ルビーと同じコランダム(鋼玉)という鉱物のうち、赤以外のものはすべてサファイアと呼びます。サファイアにはさまざまな色がありますが、一般的には青色のものを単にサファイアと呼び、その他の色は、イエローサファイア、グリーンサファイアというように色の名前を頭につけて呼びます。コランダムは純粋であれば無色の鉱物ですが、クロム(ルビー)や鉄やチタン(サファイア)のように、不純物が微量に入ることでさまざまな色に変わります。パパラチアサファイアと呼ばれるピンクがかったオレンジ色のものは、大変希少で「幻のサファイア」といわれています。
サファイアは、オーバル、ラウンド、ハートシェイプ、カボション、その他様々なファンシーカットが存在します。
光沢が良く、透明度が高く、黒みがかっていないものが良品です。
昔からサファイアで一番好まれてきた色はカシミール産のコーンフラワーブルーといわれる豊かで優しいブルーです。
石言葉:誠実・愛情・徳望
石の力:色欲や不純な考えを遠ざけ、穏やかで安らかな心をもたらす
1981年、イギリスのチャールズ皇太子は、ダイアナ妃にプロポーズする際、美しいロイヤル・ブルーサファイアの婚約指輪を贈りました。この感動的な瞬間から時が経ち、その特別なサファイアの指輪は後にウィリアム王子に受け継がれ、キャサリン妃に向けてプロポーズされました。
さらに、結婚において「サムシングブルー(Something Blue)」という考え方があり、これは花嫁に幸福をもたらすと信じられています。そのため、サファイアはこの伝統にぴったりと合致し、幸せな結婚生活を願う象徴となっています。
旧約聖書の「出エジプト記」の中では、神がモーゼ授けた十戎の2枚の石版が、サファイアでできていたといわれています。そのため、サファイアは賢者と聖職者にこそ相応しい石とされ、12世紀以降のヨーロッパでは、聖職者の右手には聖なるシンボルとしてサファイアの指輪が輝いているのが常でした。
サファイアは硬度が9であり、比較的硬い宝石です。また、優れた靭性を持っており、「劈開」と呼ばれる割れやすい性質がないため、衝撃に対して頑丈です。これにより、安心してリフォーム作業を行うことができます。ただし、初めから石にヒビや欠けがある場合もあります。そのため、リフォームを検討する際は、専門の宝石店で検査を受けながら進めることをお勧めします。