形見の指輪を譲り受けたとき、その扱い方に迷うことはありませんか?故人から受け継いだ指輪には大きな思い入れがあるものの、「どうすればいいのか」と決めかねてしまう方が多くいらっしゃいます。実際に私たちのもとにご相談に訪れるお客様の中には、形見の指輪をどう扱うべきかで数年も悩まれた末に、ようやく来店されるケースが多々見受けられます。
そこで本記事では、形見の指輪をどうするべきか悩む方に向けて、形見の指輪を活かすための具体的な解決策をお伝えします。指輪を気持ちよく手放す方法や、持ち続けることがもたらす安心感と、新しいかたちで装うことで生まれる喜びについても触れていきます。
形見の指輪を受け継いだ際、特別な思い入れがあるものもあれば、そうでないものもあるでしょう。たとえば、母や祖母の遺品である指輪でも、その存在を知らなかった場合や、身につけている姿を見たことがない場合は、特別な感情を持てないかもしれません。形見の指輪をどうするか悩まれる際には、その指輪にどの程度の思い入れがあるかを基準に検討するとよいでしょう。
もしも、指輪に強い思い入れがあるのであれば「持つ」という選択をおすすめします。一方で、思い入れが薄い場合や、単に物としての価値を重視する場合には、「売る」という選択肢もあります。売却することで気持ちを整理し、新たな活用方法を考えることができるかもしれません。
次に、売却を考える際に知っておきたいポイントについて説明します。
形見の指輪を売却しようと考えた際、まずは指輪の価値を正確に知ることが大切です。一般的に、指輪の金属部分、プラチナやゴールドは買取価格が期待できる一方で、宝石部分の買取価格は期待しづらい場合が多く、予想よりも低い評価になることが少なくありません。たとえば、ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドといった貴石以外の半貴石では、ほとんどの場合、値段がつかないことも多いのです。
これは、指輪の構成費用が主に金属の重量分と宝石(ルース)代、さらに工賃によって決まるからです。しかし、売却時には芸術的価値が認められる場合を除き、工賃は評価に含まれず、あくまで金属重量と宝石の市場価値だけが買取金額に反映されます。
ただ、宝石(ルース)は売却価格が低いとはいえ、新たに購入すると費用がかかるものです。では、売却以外にどのような方法があるのでしょうか?
形見の指輪といっても一本だけでない場合もあります。複数の形見のジュエリーがある場合、全体を棚卸ししてみましょう。
形見の品の一つひとつに以下の質問をしてください。
ひとつでも「はい」があれば、とりあえず売却するのはやめておきましょう。
貴金属は資産価値が比較的安定しているため、急いで売却する必要はありません。ゴールドやプラチナには価格変動があるものの、個人レベルの小さな取引であれば、相場のわずかな上下に過度に反応する必要はありません。たとえば、1gあたりの相場が100円上がったとしても、5gの指輪であれば変動は500円程度にとどまります。したがって、形見の指輪を売却する場合には、投資としてではなく大切な思い出の品として扱い、ご自身の気持ちが整理できたタイミングで売却されることをおすすめします。
ジュエリーのリフォームをお考えの際に、売却を検討するのも一つの方法です。リフォームには費用がかかりますが、使用しない貴金属を売却することでリフォーム代に充てられるため、故人が新しい形であなたに力を貸してくれるように感じられるかもしれません。
形見の指輪を売却する以外の方法は以下です。
形見の指輪は、ただのジュエリー以上に、特別な意味が込められた品物です。ご自身が心から納得し、気持ちが整理できたときにこそ、その形見の指輪をどうするか考えられるものです。形見との向き合い方に正解はなく、それぞれのペースで、その時がくるのを待つことが大切です。
「大切な形見の指輪、手放すことなく新しい形で活かしてみたい」と感じられたら、ジュエリーリフォームという選択肢があります。とはいえ、ジュエリーリフォームに馴染みがない方も多く、「どのようなことができるのか」「どれくらいの費用がかかるのか」など、具体的なイメージを持ちにくいかもしれません。
当店では、これまでにもさまざまなリフォーム事例を手がけてまいりました。たとえば、形見のリングをネックレスにリフォームし、毎日身に着けられるデザインに変えた例や、指輪の石を取り外し、メンズジュエリーとして新たに制作するケースもございます。性別を問わず、形見のジュエリーを自由にアレンジすることができます。
まずはできることを過去のジュエリーリフォーム事例を通して知ってください。