気に入ったデザインのジュエリーを購入したのにあまり使っていない、ということはありませんか。そうなってしまう理由がいくつかあります。
こんなときは、使わないジュエリーをリフォームすることをお勧めします。しかし、リフォームしてもまた使わなくなってしまってはもったいないですよね。そうならないように、バランスの良いジュエリーの選び方を学びましょう。
ワードローブを覗いてみると、同じような色の服ばかり持っていたりしませんか。また、新しい服を買ったけど、実は同じような服を持っていた、ということはありませんか。ファッションには好みがあります。ついついお気に入りのテイスト、スタイルのものばかり買ってしまいます。しかし、似たような服ばかり持っていると、その中で⼀番気に⼊ったものしか使わないものです。また、たくさん服を持っているのに、いざという時に着る服がない、ということもあります。そうならないために、今持っている服をしっかりと把握して、被らない服を選ぶことが必要です。
ジュエリーでも同じことが言えます。好きなデザインのイメージが明確にある⼈ほど、同じようなデザインの物を購⼊しがちです。また、カジュアルなはたくさん持っているのに、ドレッシーな服装に合うものは持っていなかったりします。そうならないように、ジュエリーリフォームの際はご自身の持っているジュエリーを棚卸して、使わないものをベースに、これまで持っていないジュエリーに作り替えましょう。
上方向:ゴージャス
派手でデザイン性が豊かなリング。ひとつ身に着けるだけでファッションの印象が大きくる変わる。一方で、主張が強く、テイストが強いので、合わせる服を選ぶ。脇石が多い。
左方向:カジュアル
普段遣いのリング。金属部分や石がピンクゴールド、イエローゴールドなどの色付き。金属部分は、曲線を取り入れたデザインなど動きがある。
右方向:フォーマル
冠婚葬祭や、ドレスを着用するようなシーンで付けるリング。中央の石にボリュームを出すために、石を爪留めしてある。金属部分はプラチナでストレートな形状。デザインはシンメトリー。
下方向:シンプル
主張が少なく、どんなファッションにも合わせやすいリング。
ジュエリーにはさまざまな種類があります。
リングを例に考えてみましょう。リングのデザインは、カジュアルとフォーマル、ゴージャスとシンプル、という2つの軸で分類できます。カジュアルリングとは普段使いのリング、フォーマルリングとは、冠婚葬祭や、ドレスを着用するようなシーンで付けるリングです。カジュアルリングは、プラチナだけでなく、ピンクゴールド、イエローゴールドなど、色付きの金属を使うものも多いです。金属部分のデザインもシンプルな輪ではなく、曲線を取り⼊れたデザインなど、動きを感じるものが多いです。⽯もダイヤモンドではなく、カラーストーンを使っているものもあります。フォーマルリングはその逆で、金属部分はプラチナでストレートな形状。中央の石にボリュームを持たせたものが多いです。ボリュームがある石を爪留めしていて、リングから石が浮き上がったデザインにすることで、より石を目立たせるデザインが多いです。その分、服に引っ掛かりやすくなるなど、普段使いはしにくい面もあります。ゴージャスリングとは、派手でデザイン性が豊かなリングです。目を惹くため、⼀つ身に着けるだけでファッションの印象が大きく変わります。一方で、主張が強く、テイストが強いので、合わせる服を選びます。シンプルリングはその逆です。主張が少なく、どんなファッションにも合わせやすいリングです。
まずは自分が持っているリングをこの4つのエリアに分類してみましょう。右上のフォーマルゴージャスは普通の方は使用頻度が少ないので、相対的に少なくて良いと思います。そのため、フォーマルゴージャスが1としたら、あとの3つのエリアは3くらいの数があるとちょうど良いと思います。どこかのエリアに偏っていませんか?偏っているなら、使っていないリングがたくさんある可能性が高いです。そんなときは、いくつかをリフォームして他のエリアのリングに作り替えることでジュエリーの活躍シーンが増えます。また、リングのダイヤモンドを外してネックレスやイヤリングにリフォームすることもできます。
今回はリングで分類しましたが、ネックレスやピアス・イヤリングでも同じような分類をしてみてください。さらに、アイテム別のバランスも考えてみましょう。多くの方は、リングを⼀番多く持っていると思います。リングは自分の視線に入るジュエリーなので、着用することで自分自身の満足感が高まります。一方で、ネックレスやピアス・イヤリングは顔のそばにありますから、他の人の目線に入りやすいジュエリーです。そう考えると、ファッション全体に影響を与えやすいのはペンダントやピアス・イヤリングです。あまりお持ちでなかったら、リングからリフォームするのも良いと思います。
ジュエリーを母娘で共用する方は多いでしょう。リングはサイズが重要ですが、多少の差であれば着ける指を変えれば共用できます。ネックレスやピアス・イヤリングならサイズは関係ありませんから、さらに共用しやすいです。それならば、母娘で積極的に共用できるようなポートフォリオを組んでみませんか。母娘でお持ちのジュエリーを全部分類してみてください。デザインの好みが違う場合もありますから、全部を共用するのは難しいかもしれませんが、お母様がお持ちのもので、娘さんから見ても身に着けたいデザインのものがあれば、同じようなジュエリーをざわざわ買い足さなくても良いかしれません。たとえば、右上のフォーマル・ゴージャスエリアのジュエリーは使用頻度が少ないので、娘さんは持っていなくても、いざという時はお母様のものを借りれば良いでしょう。また、お母様が着けなくなったジュエリーを娘さんに譲り、娘さんの好きなデザインにリフォームするのも良いと思います。
最後に、お伝えしたいことがあります。それは生前に大切なジュエリーはより多く身に着けて、それを娘さんやご家族に見せておいて欲しいのです。見たことが無ければそのジュエリーの存在さえ知らないはずですし、またそのジュエリーにまつわるエピソードや、込められた想いの深さを知ることもできません。身に着けて、家族が知ることで、母親が大切にしていた宝石だと家族に伝えることができ、その宝石の背景を語る機会も訪れるはずです。
宝石というものは想いが宿る特性があります。いつかそれらが受け継がれたとき、家族は迷うことなく何を大切にしていけば良いのか知ることができます。引き出しに大切に仕舞いこむよりは、どうぞご家族で楽しまれてください。