「四角いフォルムに惹かれる」「人と違うデザインを贈りたい」──そんな声とともに、プリンセスカットのダイヤモンドリングを選ばれる方が増えています。
婚約指輪としての定番ではなく、自分へのご褒美や、結婚記念日・退職祝いなどの節目にふさわしいオーダージュエリーとして注目される理由。それは、プリンセスカットならではの静かで端正な美しさと、他の人と被らない個性的な輝きにあります。
このページでは、プリンセスカットの魅力や価格の理由、理想の一石との出会い方、そして世界にひとつだけのオーダーリングづくりの流れまで、専門店ならではの視点で詳しくご紹介いたします。
目次
プリンセスカットは1970年代後半に登場した、比較的新しいダイヤモンドのカットです。従来のカット技術では難しかった「原石の無駄を抑えながら、美しい輝きを引き出す」という課題を、独自の形状で実現しました。
最大の特徴は、正方形に近いシャープなフォルムと、内部で複雑に反射するモザイクのような煌めき。これは、ブリリアントカットのように光を多方向に反射させる構造を持ちながら、直線的な造形美を備えているためです。
このようなデザイン性と輝きの両立は、クラシカルなラウンドカットとはまた違った魅力として、多くのジュエリー愛好家から支持されています。特に「かっこいい」「知的」「スタイリッシュ」といった印象を求める方に選ばれています。
プリンセスカットの最大の魅力のひとつは、凛とした直線的な輝きにあります。ブリリアントカットの構造を応用しつつも、正方形のフォルムが光をシャープに捉え、中心から放射状に広がるような煌めきを生み出します。
この輝きは、ラウンドカットのような柔らかく華やかな印象とは異なり、洗練されたモダンな雰囲気をまとっています。見る角度によって変化する光の反射は、まるでモザイクアートのような奥行きを感じさせ、指先に静かな存在感を宿します。
装いに品格を添えつつ、個性も表現できる──それが、プリンセスカットならではの魅力です。
プリンセスカットのダイヤモンドは、正八面体の原石構造を活かしてカットされることが多く、もともとクラリティ(透明度)の高い原石が選ばれる傾向にあります。そのため、仕上がりの美しさが際立つカットとして知られています。
また、ラウンドに比べて厚みを持たせたカット設計が主流で、これにより奥行きのある輝きが生まれます。この構造は、内包物や小さなキズを目立ちにくくする効果もあり、日常使いのリングとしての実用性も備えています。
プリンセスカットは、厚みを持たせて研磨されるため、光の取り込み方の影響で、同じグレードでもラウンドカットより色がやや濃く見える傾向があります。特に黄色味の出方は、照明環境や肌の色によって印象が変わるため、実際に石を見比べて選ぶことが大切です。
カラーグレードだけでなく、見た目の印象や好みとの相性も考慮して選ぶことで、満足度の高い一本に出会うことができます。当店では複数のルースを比較しながらご提案していますので、ぜひ実物でご確認ください。
同じ1カラットのダイヤモンドでも、プリンセスカットとラウンドブリリアントカットでは価格に大きな差が出ることがあります。これは単なる人気の違いではなく、評価基準や市場の構造そのものに理由があります。
プリンセスカットは、婚約指輪の定番であるラウンドに比べると需要が限られており、市場全体の取引価格が抑えられる傾向にあります。また、ラウンドには明確な「カットグレード評価」があるのに対し、プリンセスカットは「SQUARE MODIFIED BRILLIANT」という表記のみで、細かいカット評価が付かない点も価格に影響します。
つまり、プリンセスカットでは石そのものの質(クラリティ・カラー)で選ばれる傾向が強く、評価による価格の上乗せが起きにくいという特徴があります。同じご予算で比較した場合、プリンセスカットの方が大きさやグレードの良い石に出会える可能性が高まります。
同じ1.0ct・Fカラー・VSグレードの天然ダイヤモンドを比較した場合、プリンセスカットは約5割ほど安価になる傾向があります。
以下は当店の実際の価格帯をもとにした比較例です(2024年11月現在)。
プリンセスカット | ラウンドブリリアントカット | |
---|---|---|
当店の価格のめやす | 437,000円 | 990,000円 |
カット(輝き) | SQUARE MODIFIED BRILLIANT | 3Excellent、H&C |
カラット(重量) | 1.0 | 1.0 |
カラー(色) | F | F |
クラリティー(透明度) | VS2 | VS1 |
ラウンドブリリアントカットは、婚約指輪のスタンダードとして世界的な需要が高く、流通価格も相場として安定しています。さらに、「カットグレード」などの評価項目が明確に存在するため、それらの最高評価を満たす石は価格が高騰しやすくなります。
一方、プリンセスカットにはカット評価の項目がなく、「SQUARE MODIFIED BRILLIANT」とのみ表記されるため、鑑定書上ではカラーやクラリティが価格を左右する主な要素になります。
この違いが、「同じグレードのダイヤモンドでも、プリンセスカットの方が手が届きやすい」という価格差の背景になっています。
ラウンドカットでは、カットの評価が「Excellent」などで明示され、細かく等級付けされます。
一方、プリンセスカットでは「SQUARE MODIFIED BRILLIANT」という表記がされるのみで、カットの善し悪しを等級で判断することはできません。
そのため、プリンセスカットを選ぶ際はクラリティやカラーなど、石の「本質的な質」で見極めることが大切です。見た目の印象やバランスにも個体差があるため、実物を見ながら選ぶスタイルが推奨されます。
プリンセスカットのダイヤモンドリングは、量販ブランドではあまり見かけないデザインです。その理由は、四角いフォルムゆえに既製品の枠に合わせにくいという、構造上の特性にあります。
ラウンドカットは直径が標準化されているため、既成のリング枠にスムーズに収まります。対してプリンセスカットは、縦横比や厚みによって個体差が大きく、石に合わせた設計が前提となるため、既製品では対応しづらいのです。
そのため、プリンセスカットは「オーダーが前提」のジュエリーとして扱われることが多く、特別な節目にふさわしい一品として選ばれています。婚約指輪とは違う、人生の新たな一章を祝う贈り物として──。
当店では、プリンセスカットの個性を活かしながら、お客様のご希望に合わせた一点もののリングをご提案しています。
プリンセスカットのダイヤモンドは、ラウンドに比べて流通量が限られており、一石ごとの個性がはっきりと現れるカットです。縦横比や厚み、輝きの質感など、同じ1カラットでも印象がまったく異なることがあります。
指にのせたときの雰囲気や存在感は、カラット数以上に「形のバランス」が左右します。「見た目が大きく感じる」「指のラインに合う」「自然と惹かれる」──そうした感覚との出会いは、まさに一期一会です。
だからこそ、プリンセスカットのリングをおつくりする際には、実際に複数のルースを見比べながら選ぶことが何より大切です。当店では、お好みの雰囲気やご予算を丁寧にヒアリングしたうえで、形・輝き・厚みの異なる複数のルースをご用意し、ご来店時にじっくり比較していただけます。
一生もののリングだからこそ、その石と「出会うプロセス」も大切に。理想の一石を見つけるために、どうぞお気軽にご相談ください。
プリンセスカットのリングは、石の個性を活かしてつくる一点もののオーダージュエリー。そのため、私たちはご相談からお渡しまでのプロセスを大切にしています。
はじめての方でも安心して進めていただけるよう、一つひとつのステップを丁寧にご案内いたします。
【1】お問い合わせ・ご相談
まずは専用フォームより、お気軽にご希望をお聞かせください。「四角いフォルムに惹かれている」「予算から考えたい」といったざっくりとしたイメージでも大丈夫です。
【2】お電話またはメールでのヒアリング
ご連絡内容をもとに、スタッフよりご希望を丁寧に伺います。ヒアリングのポイントは以下の通りです:
ヒアリングを通じて、特別に厳選したプリンセスカットダイヤモンドルースをご用意いたします。
【3】ご来店|実物のルース確認とデザインのご提案
ご来店時には、実物のルースをご覧いただきながら、石の印象や指との相性を確認。お好みに合わせたデザイン提案を行い、その場でリングの方向性を一緒に決めていきます。
【4】お見積もりと正式オーダー
デザインが確定した段階で、明確なお見積もりをご提示いたします。ご納得いただいたうえで、正式に制作を開始いたします。納期は約2ヶ月前後を目安にお考えください。
ご相談から完成まで、すべての過程が「特別な体験」となるよう心がけています。
あなたの記念日を彩る一品を、ぜひご一緒に形にしましょう。
ご相談から約2ヶ月。ご予算と品質のバランスを大切にしながら、お客様が心からご満足いただけるプリンセスカットのリングをお仕立てした事例をご紹介します。
プリンセスカットのダイヤモンドが放つ、シャープで整った輝き。その光は、選ぶ人の美意識や意志をそっと映し出すように、静かに、けれど確かに存在感を放ちます。
婚約指輪ではなく、記念日や人生の節目、自分自身へのご褒美として──。
ラウンドカットとは違う魅力を求める方にとって、プリンセスカットは“自分らしさ”を表現できる特別な一石です。
私たちは、石そのものが持つ力を見極め、お客様の想いに寄り添ったデザインをご提案します。
「なぜこの石を選んだのか」を語れるジュエリーは、きっと時が経っても色あせることなく、身につけるたびにその想いを思い出させてくれるはずです。
四角い輝きに心惹かれたなら、どうぞお気軽にご相談ください。
あなたの物語にふさわしいリングを、一緒にかたちにしていきましょう。