ペアシェイプのダイヤモンドに魅力を感じたことはありませんか?涙のしずくのような独特の形状が特徴のこのカットは、その美しさで多くの人々を魅了しています。しかし、選び方や特徴について正しく知っている方は意外と少ないものです。
本記事では、ペアシェイプ・ダイヤモンドの魅力や選び方、そしてその特徴を解説します。読んでいただくことで、より自信をもってペアシェイプを選ぶことができるでしょう。
それでは、順番にご説明していきますね。
ペアシェイプは、名前の通り西洋梨を連想させる形状を持つダイヤモンドです。また、涙のしずくに似ていることから「ティア・ドロップ」とも呼ばれることがあります。この形状の魅力は、その独特な輝きにあります。
現在、市場に出回る大粒のダイヤモンドには、このペアシェイプのカットが目立っています。その理由のひとつは、ラウンドカットよりも大きく見える視覚効果があることです。このため、ペアシェイプは特にネックレスやティアラなど、目を引くジュエリーの中央石として使用されることが多いのです。
例えば、ティアラにセットされたペアシェイプ・ダイヤモンドは、身につけた人が動くたびに虹色の分散光を放ちます。その輝きは10メートル以上離れた場所からでも明確に分かるほどです。
ペアシェイプは静止した時の美しさだけでなく、動きに応じて変化する輝きで、人々を魅了するカットといえるでしょう。
ペアシェイプカットの指輪は、その特有の形状により、ラウンドカットに比べて取り扱う店舗が限られています。ラウンドカットの場合、0.3カラット、0.5カラット、1.0カラットといったカラット数ごとに、直径に標準的なサイズがあるため、各カラット数に合わせたリング枠を作成することで、デザイン展開の幅を広げやすいのが特徴です。多くの店舗でラウンドカットが主流とされるのは、こうした汎用性の高さによるものです。
一方で、ペアシェイプカットのダイヤモンドは、縦×横の比率が存在するため、石の形状に合わせて一つひとつリング枠を作る必要があり、デザインの自由度に制約が生じます。さらに、店舗ごとに同じペアシェイプカットの縦×横サイズの在庫展開が難しく、特に多店舗展開を行うブランドにとっては扱いづらい面もあります。その結果、ペアシェイプカットの指輪を取り扱う店舗は限られ、デザイン性を打ち出した販売戦略が難しくなる傾向にあります。
ペアシェイプカットの天然ダイヤモンドは、同じカラット数のラウンドブリリアントカットよりも割安に手に入れることができます。世界的な相場指標でも、ペアシェイプカットのダイヤモンドはラウンドブリリアントカットより割安に設定されており、これにより、予算内でより迫力のあるサイズのダイヤモンドを選ぶことが可能です。
2024年11月時点の天然ダイヤモンド価格指標によると、同じ1.0カラットで、カラーがF、クラリティーがVSという高グレードのダイヤモンドを比較した場合、ペアシェイプカットはラウンドブリリアントカットよりも5割弱も安く購入できます。
ペアシェイプカット | ラウンドブリリアントカット | |
---|---|---|
当店の価格のめやす | 454,000円 | 990,000円 |
カット(輝き) | PEAR BRILLIANT CUT | 3Excellent、H&C |
カラット(重量) | 1.0 | 1.0 |
カラー(色) | F | F |
クラリティー(透明度) | VS2 | VS1 |
この価格差の背景には、ラウンドブリリアントカットの需要と人気がペアシェイプカットを上回ることがあります。ラウンドブリリアントカットは婚約指輪の定番として広く愛され、その高い人気により相場が上がりがちです。また、ラウンドブリリアントカットには輝きを評価する「カットグレード」が設定されているため、色(カラー)や透明度(クラリティー)と合わせて競り合うことになります。特に婚約指輪向けの高グレード市場では、カットグレードが重視されるため、希少性が高まり価格も割高となります。
一方、ペアシェイプカットにはカットグレードの設定がなく、「PEAR BRILLIANT CUT」とのみ表記されるため、シンプルに石の質そのものが評価基準となります。このため、ペアシェイプカットを選ぶことで、透明感と強い輝きを持ちながらも、比較的手の届きやすい価格で購入できるのです。
ペアシェイプカットのダイヤモンドは、ラウンドブリリアンカットに比べると市場に流通する数が極端に少なくなります。そのため、実際に手に取ったペアシェイプカットのダイヤモンドが自分の好みにぴったりであれば、それはまさに「一期一会」の出会いです。一度逃してしまえば、同じカラットや色味、形状のルースが再び手に入るとは限りません。お気に入りの石を見つけたら、その瞬間を大切にし、迷わず手に入れることをお勧めします。
ペアシェイプ・ダイヤモンドを選ぶ際には、以下の3つの要素に注目することが大切です。透明度、輝き、そして輪郭のバランスです。
特に重要なのは輪郭です。ペアシェイプにはラウンドカットにはない縦横比率があり、このバランスがその美しさを左右します。この縦横比率は個人の好みにもよりますが、輪郭が整っていることがダイヤモンドの美しさを引き立てます。
また、10倍のルーペでキズがわずかに見えるSI1グレードや、Hカラーといった評価基準だけで判断するのは早計です。同じグレードでも美しさには個体差があり、特に輪郭の善し悪しがペアシェイプの価値を大きく左右するからです。
さらに、ジュエリー全体のデザインや個人の好みとの調和も考慮すべきポイントです。そのため、ダイヤモンドを選ぶ際には実際に手に取って、その形状や輝きを確認することが大切です。
こちらに2つのペアシェイプ・ダイヤモンドがあります。左側は滑らかな西洋梨型をしており、右側は肩の部分が張ったような形状です。多くの専門家や愛好家は、左のダイヤモンド、つまり真円が上半分にぴったり収まるようなバランスのとれた形状を「理想的」と考えます。この形状は滑らかで均整が取れており、自然な美しさを引き出すからです。
ペアシェイプ・ダイヤモンドを選ぶ際には、縦横比率やカットの美しさだけでなく、ジュエリー全体とのバランスにも注意する必要があります。
特に、ペアシェイプは先端部分が鋭いため、欠けやすいという弱点があります。そのため、強度を確保するための適切なセッティングが重要です。
人生の節目を彩るダイヤモンドリング。その理想を形にするため、当店ではお客様一人ひとりに寄り添いながら、以下の流れでスムーズにサポートいたします。
まずは、専用フォームからお気軽にご相談ください。理想の指輪に対するご希望やお考えを自由にお伝えいただけます。
ご連絡いただいた内容をもとに、専門スタッフが丁寧にヒアリングを行います。特に以下のポイントをお伺いし、最高のご提案に向けた準備をいたします。
ヒアリングを通じて、特別に厳選したペアシェイプカットダイヤモンドルースをご用意いたします。
ご来店時には、実物のペアシェイプカットダイヤモンドをご確認いただきながら、輝きや美しさを直接お確かめください。さらに、現物サンプルを使ってデザインの詳細を詰めていき、理想の指輪の完成イメージを具体化します。オーダー内容に基づき、明確なお見積りもご案内いたします。
すべてのご相談・お見積りは無料です!
指輪選びそのものが、特別な思い出となるよう、私たちが心を込めてお手伝いいたします。どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
ペアシェイプカットのダイヤモンドは、その端正なフォルムと強いの輝きで、多くの人々を魅了します。その特徴は、縦横の比率やディテールが一つひとつ異なる点にあります。ラウンドブリリアントカットの均一な輝きとは異なり、ペアシェイプカットは個性を放つルースの魅力を最大限に引き立てるのがデザインの鍵となります。
そのため、デザインは極力シンプルであることが理想です。シンプルなデザインは、ダイヤモンドそのものの透明感と繊細なラインを際立たせます。石を留める爪の太さを調整したり、ふくろ爪(エッジを爪で囲むスタイル)を採用したりすることで、ペアシェイプカットのエッジが欠けるリスクを軽減させることができます。
ペアシェイプカットのダイヤモンドを用いた指輪は、デザイン次第でまったく異なる印象を与えるのも魅力のひとつです。一つとして同じではないルースと、それに寄り添うデザインの可能性を想像する時間は、きっと心躍るものとなるでしょう。
人生の節目の特別な指輪だからこそ、そのプロセスを楽しみながら、自分だけのデザインを見つけてみてはいかがでしょうか。ペアシェイプカットの美しさを最大限に引き出す指輪作りの体験は、あなたの記憶に残る宝物となるはずです。