【12989話】母から受け継いだ立て爪リングを普段使いのジュエリーに

ジュエリー制作物語

【ご相談のきっかけ（想いの背景）】
お母様から受け継いだ立て爪のダイヤモンドリング――それは、今では着けることがなくなったジュエリーでした。「このまましまい込んでおくのはもったいない」と、お客様は一年ほど前、お母様からこのリングを譲り受けられました。ジュエリーがお好きだったお母様に、リフォームで新しく生まれ変わった姿を見せたいという想いから、ご相談をいただきました。
実はお姉様も、お母様から別のリングを受け継いでおられます。すでにリフォーム済みのそのデザインがとても気に入っていたお姉様に対し、ご自身は違うテイストを望まれ、別の立て爪リングを選ばれました。そして、お母様はそのリフォーム費用までもご用意くださったそうです。

【デザインのご提案とこだわり】
当店のウェブサイトをご覧いただいた際、あるデザインに強く惹かれたお客様。実際にご来店いただき、試着用のサンプルを着けてみたことで、そのデザインの良さをご実感されました。シンプルながら洗練されたフォルムが、普段使いにもふさわしいバランスを実現。ダイヤモンドの輝きを活かしながらも、日常の装いに自然に馴染むスタイルとして、確かな納得のうえでデザインをお決めになりました。
お客様は以前、オーストラリアでジュエリーショップに勤務されていたご経験をお持ちで、修理や受付業務にも携わっておられたとのこと。だからこそ、ジュエリーの扱いやリフォームに対する審美眼にも自信を持っておられたようです。

【完成したジュエリーとその魅力】
完成したリングは、立て爪特有の高さを抑え、ダイヤモンドが程よく手元に馴染むデザインに仕上がりました。お客様の手元に自然に映えるフォルムと、確かな輝きが融合した一品です。「これなら普段から着けられそう」と、仕上がりをご覧になったお客様もとても嬉しそうにされていました。
その指輪を、お母様に見せに行くご予定だと伺いました。受け継がれたジュエリーが、想いとともに新たな形で蘇り、ご家族の時間を彩っていくことを心から願っています。

【ジュエリープランナーより】
お母様、お姉様、そしてご自身へとつながるジュエリーのバトン。それぞれの価値観に寄り添いながら、リフォームというかたちで再生するお手伝いができたことを嬉しく思います。ご相談を通じて、お客様のジュエリーへの深い愛情と審美眼の高さを感じました。完成品をお母様に見せたときの反応が、私たちにとっても楽しみです。