【10983話】ブローチの大きさ違いの珠をステーションネックレスにリフォーム

ジュエリー制作物語

《 背景・ご要望 》
「ブローチが3つあり、全部で19個のパールがついています。これをネックレスにしたいと思っています。」とご来店予約をいただきました。
こちらのブローチ、お嫁に行く際の引っ越し時に母親から貰ったものでした。
母に「私はもう使わないから、あなたも30代、40代となれば使う時が来るから持っていなさい」と渡されました。
それから20、30年が経ち、秋の衣替えの季節がやってくると、洋服を入れ替えると同時にブローチも出てきます。
ずっと気になっていたので、何とかならないものかとご相談にいらっしゃいました。


《 打ち合わせのポイント 》
お持ちになった3つのブローチには、
①直径6.20mmの珠×1個のピンブローチ
②直径5.00-6.20mm×5個のブローチ
③小さい珠が無数にあるブローチ
③については珠が小さく、珠数も多く利用することが難しく、またチェーンを通すとネックレスとして使えそうだったので今回は使用せず

兎に角、使えるものにしたいというのがご希望でした。
そこでツキサシを利用するステーションネックレスをご案内。
これならすぐにでも使っていけそうと、気に入っていただきました。
デザイン詳細は、
・ネックレスの全長：800mm
・珠の配置：ランダム
・パーツ：ツキサシ
サンプルを使いながら全長、珠の配置を決めていきました。


《 お客様担当からひとこと 》
今回お客様が相談前に不安に思っていたことは、「大きさの違う珠を全部使う方法があるのか？」ということでした。
ステーションネックレスであれば、大きさが違う珠だったとしても問題ありません。
また珠同士の間隔もランダムにすると、動きが出て、カジュアルさも増します。

最後にステーションネックレスを制作する際の豆知識のご紹介です。
真珠を使ったステーションネックレスを制作する際に利用するパーツは、
・ツキサシ
・シャンク
の2種類があります。
結論から申し上げると、当店のおすすめは「ツキサシ」です。
「ツキサシ」は珠の大きさに対して丸カンや皿の大きさを調節して職人が作りますので、バランス良く仕上がります。
次に「シャンク」は線を巻いて作りますので、珠が小さいと巻きしろが目立ちます。
個人的な印象としては、「ツキサシ」はジュエリーさがあり、「シャンク」はアクセサリーさがあると感じます。