

| アイテム | リング |
|---|---|
| 石のカット | ラウンド |
| 石の大きさ | 0.402ct |
| 制作方法 | パターンオーダー |
| 金属の種類 | イエローゴールド、お持ちの金属 |





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ジュエリー制作物語
【ご相談のきっかけ(想いの背景)】
はじめのご相談は、13年前にお作りになった婚約指輪のことでした。もとはお祖母様の形見の立て爪リング(石を高く持ち上げて留める、古くからの技法)で、そのダイヤモンドを受け継いで指輪へ仕立て直された一本です。
けれど年月とともに指のサイズが合わなくなり、デザインも日々の装いには少し華やかで、使う機会がなくしまったままになっていたといいます。
お客様は、男の子三人の子育てに追われる毎日を送っておられます。あわただしい一日のなかで、ふと手元に目をやったときに心がほどけるような、出番の増える指輪にしたい。それが今回のご相談の出発点でした。
【デザインのご提案とこだわり】
ご相談の日、お客様はもう一つの包みも携えてこられました。今はもう会えないお母様が遺されたジュエリーです。当初は手放すことも考えておられたそうですが、そのなかにイエローゴールドの品が数点あり、地金として溶かせば今回の指輪に活かせます。当店からは、その方法をご提案しました。
「せっかく使えるなら、母のものを」。お客様はそう選ばれ、お祖母様から受け継いだダイヤモンドを、お母様の地金が包み込むという構成が決まりました。
形は平打(断面が平らな帯状のリング)とし、センターストーンは伏せ込み(石の周囲を地金で囲んで低く納める留め方)に。内側は内甲丸(指に触れる面をゆるやかに丸く仕上げる加工)で当たりをやわらげました。引っかかりの少ない、日常のための設計です。
なお、お預かりしたダイヤモンドは、加工に入る前に事前鑑別で天然の石であることを確認しています。安心してお預けいただくための、最初の大切なステップです。
【完成したジュエリーとその魅力】
仕上がったのは、槌目(金槌で叩いて細かな凹凸を生む表面加工)とつや消しを重ねたイエローゴールドの平打リングです。光を鋭く跳ね返すのではなく、やわらかく含んで返す表情になりました。
中央には、受け継がれてきたダイヤモンドが低く静かに納まっています。石の高さを抑えたことで、指の上での重心が下がり、家事の最中でも気になりにくい佇まいです。主張しすぎず、確かに輝く一粒になりました。
槌目とつや消しの表面には、日々のなかでつく細かな傷がなじみやすいという利点もあります。使うほどに手に沿っていく一本として、毎日の暮らしの傍らで気負わず着けていただけます。
【ジュエリープランナーより】
お祖母様から受け継がれたダイヤモンド、お母様が遺された地金、そしてお客様ご自身の今の暮らし。三つの時間が、一つの輪の上で静かに重なりました。
今回使わなかったメレダイヤ(脇石に用いる小粒のダイヤモンド)は、お手元にお返ししています。いつかエタニティリングにしたい、というお話も伺いました。続きは、また一緒に考えさせてください。