

| アイテム | リング |
|---|---|
| 石のカット | スクエア |
| 石の大きさ | 3.73mm×4.44mm(0.33ct) |
| 制作方法 | パターンオーダー |
| 金属の種類 | プラチナ、お持ちの金属 |





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ジュエリー制作物語
【ご相談のきっかけ(想いの背景)】
お客様が生まれたとき、お母様が記念に求められたエメラルドの指輪。長い年月を経てお客様に受け継がれましたが、着ける機会のないままでした。偶然にも、娘さんの誕生石も同じエメラルドです。いつか娘さんに受け継いでもらいたい。そう考えたとき、しまっておくだけでは終われないと感じられたそうです。
ただ、ご相談の前から気にかけておられたことがありました。「エメラルドは割れる可能性が高く、リフォームが難しいと聞きます」。事前にいただいたメールには、そう書かれていました。
もうひとつ、普段は指輪を着けない暮らしであることも伺いました。望まれたのは、特別な日だけの一本ではなく、日常のなかで手を通せる指輪です。お母様から受け継いだ素材をすべて使い切れることも、この一本を作る決め手になりました。
【デザインのご提案とこだわり】
お預かりした石は、事前鑑別(無料)で天然エメラルドであることを確認しています。エメラルドは内包物を含むことが多く、加工に配慮が必要な宝石です。だからこそ、まず石の状態を確かめ、できる仕立てを見極めることから始めました。
プランナーがお勧めしたのは、お手持ちのエメラルドの指輪と真珠の指輪、二本の素材を一本にまとめる組み立てです。地金はどちらもプラチナでしたので、溶かして新しい一本へ。二本から外したダイヤモンド6石を、脇石として迎えます。
形は平打(断面が平らなかたち)、内側は内甲丸(丸みをつけて指あたりをやわらげる仕立て)に。センターストーン(中央に据える主役の石)のエメラルドは四本の爪で横向きに留め、石座の高さを抑えました。日々の動作で引っ掛かりにくくするためです。
【完成したジュエリーとその魅力】
完成したのは、幅2.5ミリの平打に、エメラルドが横向きに座る一本です。鏡面に磨いた地金が光を受け、緑が指の流れに沿ってまっすぐ伸びます。
脇石のダイヤモンドは、左右に三石ずつ。地金を彫り起こして留める彫り留めで、表面から石が張り出さないよう収めました。石座も低く抑えているので、袖口や髪に触れても気になりません。
後日、お客様からいただいたお手紙に、この指輪のことが書かれていました。ミル打ち(細かな粒を連ねた装飾)の入った結婚指輪と重ねてみたそうで、「アンティークな感じになって素敵です」とのこと。普段使いしやすいかたちに変わったことを、喜んでくださっていました。
二本の指輪は、石も地金も余すことなく次のかたちへ渡りました。仕立てに使い切れなかった地金は下取りとし、新しい一本の費用の一部に充てています。普段は指輪を着けないという方が、日々の手元に置ける一本になりました。
【ジュエリープランナーより】
お母様がお客様の誕生を記念して選ばれた石が、いつか娘さんの誕生石として受け継がれていきます。三代のあいだを、ひとつの緑が渡っていくことになります。
しまっておく一本ではなく、手元に置いて着ける一本を選ばれたこと。それが今回のいちばんの変化でした。宝石は、身に着けられてはじめて日々の景色の一部になります。使われてこそ、想いは次へ渡っていく。そう考えながら仕立てた一本です。