

| アイテム | リング |
|---|---|
| 石のカット | ラウンド |
| 石の大きさ | 合計0.20ct(直径1.28mm×15石) |
| 制作方法 | パターンオーダー |
| 金属の種類 | イエローゴールド、お持ちの金属 |





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ジュエリー制作物語
【ご相談のきっかけ(想いの背景)】
若い頃はジュエリーが好きで、気に入ったものをよく選んでいたといいます。そのお客様が長く手元に残してこられたのが、四十年前、初めていただいたお給料で求めた一本の指輪でした。
中央にペアシェイプ(しずくのような形)に磨かれたルビーを据え、その周りを小さなダイヤモンドが取り囲む、当時らしい華やかなデザインです。ただ、装いの好みは年月とともに変わっていくもの。この指輪を手に取る機会は少しずつ減り、いつしか箱の中で静かに眠っていました。
それでも手放す気にはなれなかったと、お客様は振り返ります。思い出の指輪だから、今の自分が使えるかたちにしてあげたい。その一言が、今回のご相談の出発点になりました。
【デザインのご提案とこだわり】
お預かりした指輪は、まず事前鑑別へ。加工に進む前に石の種類と硬さを確かめておくための工程で、費用はいただいていません。結果は天然のルビーと、脇石の天然ダイヤモンド。安心してお預けいただくための、最初の一歩です。
プランナーが提案したのは、華やかな枠をあえて手放す道でした。指輪の地金と、周りを飾っていた十五石のメレダイヤ(小粒のダイヤモンド)だけを受け継ぎ、細身の平打(断面が平らな帯状の形)リングへ組み直す。すべてを残すことよりも、これから毎日着けられることを優先したご提案です。
石は彫り留め(地金を彫り起こして石を抱え込む留め方)で一列に並べ、内側は内甲丸(内周をゆるやかに丸めた仕上げ)としました。指あたりがやわらかく、日常の動作でも引っかかりにくい形です。
中央のルビーは留めずに、お客様のお手元へ。使い切らずに残しておくことも、これからの選択肢を守るひとつの方法だと考えています。
【完成したジュエリーとその魅力】
仕上がったのは、幅二ミリほどの細身の平打リング。表面は鏡面に磨き上げ、光を受けるたびに一本の帯がすっと伸びて見えます。
正面には、受け継いだ十五石のダイヤモンドが一列に。このメレダイヤはうっすらとブラウンの色みを帯びており、イエローゴールドの温度と響き合う輝きになりました。白くシャープに光るダイヤとはまた違う、落ち着いた表情です。
手に取ったときの軽さも、この一本の持ち味です。四十年前の指輪の存在感を思えばずいぶん控えめですが、そのぶん着けていることを忘れる自然さがあります。仕事の日も休みの日も、装いを選ばずに指先で静かに光ります。
【ジュエリープランナーより】
四十年前に選ばれたこの指輪は、当時のお客様にとって精いっぱいの一本だったはずです。その指輪が形を変え、これからの毎日に寄り添っていく。ジュエリーの一生は、買った日で終わらないのだと、あらためて教えていただきました。
お手元に戻ったルビーにも、いつかふさわしいかたちが見つかるかもしれません。そのときが来ましたら、またお聞かせください。