

| アイテム | リング |
|---|---|
| 石のカット | ラウンド |
| 石の大きさ | 合計0.15ct(直径1.1-1.2mm×22石) |
| 制作方法 | パターンオーダー |
| 金属の種類 | プラチナ、お持ちの金属 |





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ジュエリー制作物語
【ご相談のきっかけ(想いの背景)】
以前にも当店でリフォームをお任せいただいたお客様が、結婚30周年を迎えるにあたり、ご夫婦お二人で来店くださいました。記念に新しいペアリングをつくろうと考えられたものの、特に着けたいブランドがあるわけでもなく、新品をお求めになることに、どこか心が動かなかったといいます。
そんなとき思い出されたのが、結納の折にいただいたまま、長らくしまっておられた婚約指輪とエメラルドリングでした。この指輪を使って、もう一度何かをかたちにしたい。たどり着かれたのは、思い出の宿る指輪を、これからの毎日に寄り添うペアリングへと生まれ変わらせるという選択です。左手の人差し指で寄り添わせる、お二人だけの一対をめざすことになりました。
【デザインのご提案とこだわり】
まずは、お預かりした指輪に安心してお任せいただくための最初の一歩として、事前鑑別をおこないました。天然のエメラルドとダイヤモンドであることを確かめたうえで、結納の指輪に使われていたプラチナ(PT900)と、22石のメレダイヤ(小さなダイヤモンド)を受け継ぎ、お二人のリングへ11石ずつ分け合うように仕立てる方針が定まりました。
奥様のリングは、横から見ると三角に立ち上がる端正なフォルム。片側にダイヤモンドを彫り留め(地金を彫り起こした爪で石を留める技法)で連ね、表面は鏡面仕上げで澄んだ光をたたえます。ご主人のリングは平打のすっきりとした面を基調に、中央にダイヤモンドをマス留め(四角い枠を連ねて石を納める技法)で配し、上下に地金の面を残しました。既製品では見過ごされがちな留め方の表情こそ、オーダーで個性が生まれる要です。店頭で実際のサンプルを手に取りながら、お好みをかたちにしていきました。
【完成したジュエリーとその魅力】
仕上がったのは、三角のフォルムが軽やかな奥様のリングと、平打が落ち着いた表情のご主人のリング。対をなしながらも、それぞれにお二人らしさが宿ります。結納の日からともにあったダイヤモンドが帯のように並んで日々の光を映し、三十年寄り添ったプラチナが、新たな輝きをまといました。
内側は内甲丸(指当たりを和らげる丸みのある仕上げ)に整え、長く着けていても負担になりにくい着け心地です。磨き上げた地金がダイヤモンドの輝きを受け止め、手を動かすたびに上品な光がこぼれます。結婚指輪と重ねても自然になじみ、特別な日はもちろん、何気ない毎日にこそ寄り添う一対に仕上がりました。
【ジュエリープランナーより】
引き出しの奥で静かに時を待っていた指輪が、ふたたびお二人の手元で、日々をともに歩みはじめます。リフォームは、形を変えることそのものが目的ではなく、大切な想い出を、これからの時間へとつないでいく営みだと、あらためて感じさせていただきました。長い年月をともにしてこられたお二人に、この一対がそっと寄り添い、これからの記念日を静かに彩っていくことを願っています。