

| アイテム | リング |
|---|---|
| 石のカット | ラウンド |
| 石の大きさ | 0.562ct |
| 制作方法 | デザインセレクト |
| 金属の種類 | プラチナ |





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ジュエリー制作物語
【ご相談のきっかけ(想いの背景)】
ご相談のきっかけは、結婚指輪と婚約指輪のこれからの使い方についてでした。
当初は「二本を一本のリングにまとめることはできないか」という発想からのご相談でしたが、お話を重ねる中で、奥様が現在の結婚指輪のデザインをとても気に入っていること、そして合体させて華やかになった結果、普段から身につける指輪がなくなってしまうのではないかという懸念が見えてきました。
結婚指輪は日常的に使われている一方で、サイズが合わず、むくみやすい日には着け外しがしづらいこともあったそうです。
また婚約指輪は、華やかであるがゆえに出番が限られ、気がつけば身につける機会がほとんどなくなっていました。
「どちらも大切だけれど、今の暮らしには合っていない気がする」
そんな率直なお気持ちから、二本を無理に一つにまとめるのではなく、それぞれを今の生活に合う形へ整える方向で考えていくことになりました。
【デザインのご提案とこだわり】
最終的な結論として、結婚指輪はサイズ直しを行い、これまで通り日常の一本として使い続けることに。
そして婚約指輪は、石座やデザインをすべて作り替え、センターストーンのみを活かしてリフォームする方針を選ばれました。
デザインは「デザインセレクト」を用い、いくつかの候補を実際に試着しながら検討。
写真やイメージだけで決めるのではなく、指に通したときの印象や、日常の装いとの相性を確認しながら、無理のない一本を探していきました。
今回お選びいただいたのは、幅のあるリングでありながら、格子模様を活かしたデザインです。
指に着けると地金の間から肌の色が自然に見え、見た目のボリュームに反して、幅広リングとは思えない軽やかな印象になります。
格子模様が生む抜け感によって、指元が重くなりすぎず、自然なリズムが生まれる点も、このデザインならではの特徴です。
特別な日に限らず、日々の装いに自然に馴染むこと。
華やかさはあるものの、華やかさだけが先に立ちすぎず、普段にも馴染み、それでいて手元がきれいに見えること。
さらに、幅広リングだからこそ生まれるさりげないカジュアルさがあり、日常使いしやすいバランスに仕上がっています。
そうした点を一つずつ確認しながら、最終的なデザインが決まりました。
【完成したジュエリーとその魅力】
完成したリングは、婚約指輪のセンターストーンが主役としてきちんと映えながらも、全体としては落ち着きのある佇まいに仕上がりました。
華やかさを抑えすぎることなく、それでいて日常の中でも違和感なく身につけられる表情を持っています。
これまで出番の少なかった婚約指輪は、毎日身につけられる一本へと生まれ変わり、再び生活の中に戻ってきました。
一方で結婚指輪は、サイズを整えることで、これまでの思い出や愛着をそのままに、ストレスなく使い続けられる存在に。
二本を一つにまとめるのではなく、二本それぞれを「今の自分」に合わせ直す。
その選択が、結果としてもっとも自然で、長く使えるかたちになったように感じます。
【ジュエリープランナーより】
リフォームをご相談いただく際、「こうすれば一つにできます」という技術的な答えよりも、普段の一本を失わないこと、そして使われていないジュエリーを日常へ戻すことを優先して考えることがあります。
今回も、二本を合体させること自体は可能でしたが、それが本当に今の暮らしに合うのかを一緒に整理しました。
試着しながらデザインを選び、無理なく身につけ続けられる形に着地できたことは、とても良いリフォームだったと思います。
ジュエリーは、しまっておくためのものではなく、身につけてこそ意味を持つもの。
これからも、そうした視点でご相談に向き合っていきたいと考えています。