

| アイテム | リング |
|---|---|
| 石のカット | ラウンド |
| 石の大きさ | 合計0.134ct(直径1.4mm×10石)、直径1.5mm×3石 |
| 制作方法 | パターンオーダー |
| 金属の種類 | プラチナ、お持ちの金属 |





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ジュエリー制作物語
【ご相談のきっかけ(想いの背景)】
お客様は、お母さまの婚約指輪から0.31ctのセンターダイヤを取り外し、当店でのご相談時に「ネックレス」と「エタニティリング」を同時にリフォームされることを決められました。センターストーンは普段使いしやすいネックレスへと生まれ変わり、手元には母の婚約指輪の“残った部分”であるPT900枠とメレダイヤが残りました。「この小さな素材にも意味を持たせて活かしたい」というお気持ちから、新たなリング制作へとつながりました。
さらに、お母さまのPT850の結婚指輪も受け継がれており、「受け継いだ素材を無駄にせず、毎日の生活に寄り添うジュエリーにしたい」という願いをもって当店へご相談いただきました。お客様ご自身は以前に結婚指輪を紛失され、現在は細身のブルガリリングを代わりに着用されています。そのリングに重ねられる、意味のあるエタニティリングを長く探してこられたとの背景もありました。
【デザインのご提案とこだわり】
今回お預かりした素材は以下の3点でした。
・婚約指輪から取り外したPT900枠
・同じく取り外したメレダイヤ
・お母さまのPT850結婚指輪
これらをすべて再利用し、一つのエタニティリングに組み直すプランをご提案しました。
まず、お母さまのメレダイヤの直径が約1.4mmで揃っている点に着目し、最も美しく並べられるリング幅として2.3mmを基準に設計しました。
さらに今回は「家族を象徴する誕生石」を組み込みたいという特別なご希望がありました。
・12月:タンザナイト(ご主人)
・2月:アメジスト(息子さん)
・10月:ピンクトルマリン(奥様)
・4月:ダイヤモンド(お母さま)
誕生石は「ご家族の順番」で並ぶように位置を調整し、透明感のあるメレダイヤから色石へ自然な流れが生まれるよう、爪の角度や間隔を丁寧に整えました。また、重ね付けを予定しているブルガリリングとの段差が出ないよう、側面の厚みもミリ単位で調整することで、日常に馴染む着け心地も追求しています。
【完成したジュエリーとその魅力】
完成したリングは、受け継いだ二つの指輪の素材を余すことなく活かしながら、新しい意味とストーリーを宿した一本へと生まれ変わりました。メレダイヤの連なりに続いて家族の誕生石がやわらかく色づき、視覚的な美しさだけでなく「家族のつながり」がそっと刻まれています。
結婚指輪を活かした再利用と、母の婚約指輪の“残った部分”から受け継いだ素材が組み合わされることで、「思い出」と「現在の家族」が一本のリングに共存するデザインとなりました。細身のブルガリリングとの重ね付けも自然で、日常使いの快適さと上質さが両立した仕上がりです。
【ジュエリープランナーより】
今回のご相談では「素材を無駄にしないこと」「家族の意味を込めたいこと」というお客様の想いがはっきりしており、その想いを形にするお手伝いができたことをとても嬉しく感じています。新しい素材を加えることは簡単ですが、受け継いだ素材だからこそ宿る価値があります。
これからも、お母さまの記憶とご家族の物語を、そっと寄り添うように日常へ届けてくれる一本となりますように。無理のないご提案を大切にしながら、今後も誠実にサポートしてまいります。