【12996話】母の想いを受け継ぐ銀婚式の記念ネックレスリフォーム

ジュエリー制作物語

【ご相談のきっかけ（想いの背景）】
ご結婚25周年という節目を迎えられたご夫婦が、ご一緒に当店へお越しくださいました。
「銀婚式の記念に残るものを」と考えていたとき、奥様が5年前にお母様から譲り受けた立て爪のダイヤモンドネックレスが心に浮かんだそうです。
普段使いには少し堅い印象のデザインを、毎日身につけられるカジュアルなネックレスにリフォームして、大切な節目を祝いたい――そんな温かな想いが込められていました。

【デザインのご提案とこだわり】
奥様の中には、仕上がりのイメージがすでにかなり具体的にあったため、その方向性を尊重しつつ、細部を丁寧にすり合わせていきました。
特に悩まれたのがチェーンの種類。実際に何種類かご試着いただき、最終的には程よい存在感のある太めのチェーンに決定。ダイヤの輝きとのバランスも美しく整いました。
「気に入ったものが一番」と、ご主人は当初の予算にとらわれず、納得のいく仕上がりを優先してくださいました。その柔らかなご判断が、ご夫婦の絆をさらに感じさせてくれました。

【完成したジュエリーとその魅力】
完成したネックレスは、クラシカルな立て爪の印象を軽やかに刷新し、日常にも寄り添う上品な一本に生まれ変わりました。
お受け取り当日、その場で早速身につけて帰られた奥様は、その足でお母様のもとへ。新しくなったネックレスをご覧になったお母様は「こんなに綺麗に生まれ変わって嬉しい」と、目を輝かせて喜ばれたそうです。
これから大切に使いながら、いずれは23歳の娘さんへも受け継いでいきたい、そんな未来への想いも込められた、記念すべき一本となりました。

【ジュエリープランナーより】
ご夫婦でじっくりご相談いただいたお打ち合わせの時間から、銀婚式を迎えられたお二人の信頼とあたたかい空気感が伝わってきました。
ご主人の「気に入ったものを選んでほしい」というお言葉、奥様の「娘にも渡せるように大切にしたい」という想い。それぞれが一つのジュエリーに宿ったことで、まさに“これからの時をつなぐ記念品”となったのではないでしょうか。
このたびは、大切な節目の品をお任せいただき、誠にありがとうございました。